そもそも僕が美容師という職業を選んだきっかけは中学生の時でした。
厳しい校則により坊主かスポーツ刈りを強制的に強いられた事から、
まず『外見の不自由』に対して激しく違和感を感じた事がきっかけでした。
周囲の大人を見渡してみても、当時のビジネスファッションは今のような垢抜けたヘアデザインやスーツは少なくて(当時の僕の勝手な大人のイメージですが・・・)
・サイズ感の合っていない地味なスーツ
・7:3分け
・キッチリ過ぎるもみあげ
・似合う、似合わないを一切考慮しない刈り上げ
などなど。
時代的なものも当然あったのでしょう。
そのような外見的規制から
『社会の抑圧の強さ』
を感じ、激しく拒絶感を覚えていました。
「自分が大人になった時も同じような格好をしなければならないのか?」
「大人になっても規則に縛られ、自由に振舞う事が許されないのか?」
ただただ、それだけがイヤすぎて、
何が本当の自由かもわからず
『大人になったら俺は自由に生きるんだ!!』
と思いながら、自分を自由に表現できる道はないかと模索している時に出会ったのが一人の美容師さんでした。
その人は大人でありながら
「茶髪にピアス、私服で仕事をしながらお給料をもらっている!」
「更に趣味はバンド活動!」
と、まさに当時まだ少年だった僕から見ると自由を謳歌しているカッコイイ大人像に映ったのでした。
(当然ながらそれは、自由のほんの一側面でしかないという事に気付いたのは働き始めてからですが)
とにもかくにもそのような浅はかな動機で美容師を志し、自身で出店するまでに至ったワケですが、
その頃の自分を思い出すと、高校生になった頃からその美容師さんに切ってもらうようになったのですが、とにかく美容室に行くのが楽しくて楽しくて大好きだったんですね。
シャンプーをしてもらうのも、髪型を相談してカットしてもらうのも、雑談をするのも、セットの仕方を教えてもらうのも。。。
所詮、高校生のカットなので毎回違うヘアスタイルをオーダーしても、似たり寄ったりになるんですよ。
それでもニュアンスの変化やその時間、空間を自己満足で楽しめてた。
純粋に美容・ファッションを楽しんでたんですよね。
美容学生に上がってからはカラーパーマが解禁となり更に美容室に行く事が楽しくなりました。
自分が美容師になって働くようになってからは、他所に行って切ってもらうという事が極端に減りましたが、時々行く時はやっぱり楽しみながら行ってたんですね。
美容師としてお客様と関わらせていただく中で時々、
「美容室に行くのが面倒・憂鬱」
「毎回の白髪染めが面倒臭い」
とおっしゃる方がいらっしゃいます。
確かに毎回、毎月の事になったり、
担当美容師さんとの波長が合わなかったりすると苦痛に
感じられるかもしれません。
でも、だからこそ、
義務的に、ネガティブにその日を迎えるのではなく
「キレイになる日、楽しくウキウキする日」
と毎回の美容室DAYをそのように切り替えて臨んでいただけると
とても嬉しく思いますし、こちらとしても
「本当にそうなるように全力で努力しよう!」
と思います。
「美容の本質とは、それを通じて人が幸せになる事」です。
誰に言われるからやるような義務でもなく、完全に自由なものです。
キレイになって、楽しくなって、気分が良くなって、やる気がでたり
人に優しく出来たり・・・
良い事の連鎖が起こり、人生までも幸せにしていくのです。
そのサイクルを自ら生み出す為に当店をご利用いただけると幸いです。
僕と関わる一人一人の人が、それぞれの幸せを創造していけますように・・・
そのような場所であり、人でありたいと思います。
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